こんにちは!@_a0iです!今日はKubeCon + CloudNativeCon Europe 2026に登壇した話を書こうと思います!
[この文章は100%人間が書いているオーガニック記事です]
KubeCon + CloudNativeConとは?
Kubernetes及びCloud Nativeな技術についての知見共有が行われるカンファレンスです。 1年に1回EUとNA(北米)でそれぞれ開催されるものが一番大きく、他にも中国やインドなどでも開催されています。 KubeCon + CloudNativeCon Japanは2025年初開催され、今年2回目が開催されます。
EUは去年12000人ほど来場し、今年は2万人いくか?みたいな話もありました(正式な数字は後日公式から出るレポート待ちです)。
今回プロポーザルを提出して採択されため、登壇に至りました。プロポーザルの採択率は大体1割くらいです。

登壇内容&結果
登壇は全て英語で行いました。今回知人の望月さんと2人での登壇でした。
Hack Me If You Can: Learning Kubernetes Security Through a Role-Play Battle https://kccnceu2026.sched.com/event/8883ecf2e1c8ebd35c149999a5028e62?iframe=no
内容としては「開発者がVibe Codingをして本番環境にショッピングサービスをデプロイしたらハッカーに攻撃された!どうしよう!ヒーローが登場し、なぜ攻撃されたか、どう防げばよいかを説明する」というものでした。望月さんと2人でそれぞれ役になりきってコントのような形でプレゼンを行いました。
結果会場は満員御礼、途中拍手や笑いもおき、すごく楽しい回になりました。
終わった後もセキュリティに関する質問がたくさんあり、また会場内を歩いていても「よかったよ!」と声をかけてくれる人もいました。

その他のお仕事
登壇以外にも今回は2つミッションがありました。
- Argo Workflowでpanicboatさん※が出している重要なPR(ワークフローのインプットにファイルを入れられるようになる)のレビュープッシュをするということ
※panicboatさんがJenkinsからArgo Workflowに移行した話は以下の記事を参照してください blog.studysapuri.jp
メンテナのAlanさんにお会いし、お願いすることができました。というのもpanicboatさんが度々Argo WorkflowにコントリビュートしているおかげでAlanさんはpanicboatさんを認識しており、「今まで助かっていたし今度のPRも見ておくよ」という形でみてもらえそうでした。 同じチームメンバーのコントリビュートがメンテナの方から感謝されているということを知れてとても嬉しかったです。panicboatさん宛にPipekitの靴下ももらいました。
2.Langfuseの方とコミュニケーションを取ること
詳細は書けないのですが、仕事上Langfuseの方々と相談する必要があり、直接コミュニケーションを取る方が早いということで行ってきました。 LangfuseのブースにはClemensさん(COO)、Marcさん(CTO)がそれぞれ別々の日にブースに立っていました。ブースによってコミュニケーションをとることで必要な情報を得ることができ、プロジェクトメンバーに持ち帰ることができました。
Marcさんはとても活気にあふれた方で楽しそうに話してくれました。「日本人だったらさん付けしないといけないんだよね!!」と嬉しそうに私のことを「Takahashi-san」と呼んでいました。
気になった新しい技術たち
見たセッションはYouTubeが公開したら改めて共有します。今回いくつか気になる技術がありました。追って詳しく調べたいと思います。
DRA(Dynamic Resource Allocation)
https://kubernetes.io/docs/concepts/scheduling-eviction/dynamic-resource-allocation/
1.35でstableになった機能です。全然把握していなかったのですが、この機能は今後LLMをKubernetes上で動かす上で画期的であるとして色々なところで紹介されていました。
これまでGPUなど特殊なリソース機材を用いている場合にPod間でリソースシェアができなかったのですが、可能になったということのようです。 このため、ローカルLLMをKubernetes上で動かす場合、よりGPUを効率よく使えるようになる、という文脈で脚光をあびているようです。 私たちはEKSを利用しているため直接DRAを扱うことはないと思います。ただ、DRAによってEKSで恩恵を受けられるようになるかもしれません。NVIDIAがDRAドライバーをCNCFで寄贈したということでキーノートが大盛り上がりでした。
holmesGPT
https://github.com/HolmesGPT/holmesgpt
名探偵シャーロックホームズから名付けられたと推測されるOSS。各種オブザーバビリティツールを利用して障害の原因調査をするものと思われる。完全に原因特定までいかないとしても、一時調査はサクッとできるようになって欲しいと思っている昨今なのでどれくらいの精度が出るか気になります。
agentgateway
https://github.com/agentgateway/agentgateway
AI AgentのゲートウェイOSS。LLM接続ゲートウェイとしても動くし、ガードレールとしても動くようです。今後AI Agentが同じKubernetesクラスタ上で多数動く場合、各アプリケーション開発者に全てケアしてもらうよりもこういったツールで包括的にケアできた方が嬉しいのかどうなのか?というあたりが気になっています。
他に参加したイベント:メンテナサミット
CNCF OSSのメンテナまたはメンバーのみが参加できるイベントでした。本編に比べると人数が少なくクローズド感があり、多くの人と話すことができました。 社交辞令もあるかもしれませんが、皆「KubeCon Japanのプロポーザルを出した/出したい、行きたい」と言ってくれ、観光地として日本の人気の高さが窺えました。
自分がやっているOSS活動や仕事のことのみならず、様々な出身や文化の人が集まる中で相手の持つバックグラウンドをリスペクトする会話内容が多くあり、とても刺激的かつピースフルな1日を過ごしました。
特に面白かったのは近年問題となっている「AI Slop問題」についてディスカッションの場があったことです。 以下は話された内容の一部です。
- PRが大量に投げつけられて困っている
- PRも困るが、PRのコミュニケーションの相手がおそらくAIだったこともあり、困る
- 「あなたの」言葉が聞きたい、別に英語が堪能である必要はない、わからなかったらわからなかったと聞いてくれればいい
- 一方、英語が第一言語ではない話者にとってはコミュニケーションこそAIに補助してもらっているため一律AIがNGっていうのもどうか
- メンテナがたくさん集まっていたので「うちも困っている!」「そうだそうだ!」と大盛り上がりでした
- 一方で解決策として「CNCF全体でルールを決めるべきか?」「いや、統一する必要はないだろう」などという話も出ていました
簡単に結論が出る話ではないですが、みなさんの苦労を肌で感じることができ、今後OSSのあり方が変わっていくのかもしれないと思いました。
GitHub Social Club
KubeCon開催にあわせてGitHubがカフェの2階を貸し切ってやっていた公式イベントに参加してきました。当日はGitHubのデザインチームのEMと色々お話しをしていました(行く時間が遅かったためDeveloperの方は帰ってしまったっぽい)。最近フロントエンドやデザイン周りに関わることが多いので、他の会社の話を聞くのはとても面白かったです。以下のような話をしました。
- デザインに関してAIではなく必ず人間のQAがいる(必要)
- 人間にとって良いデザインは人間しかわからない
- 優秀なデザインQAチームがいるので、依頼したら1日とかで返ってくる
- 私たちはUIでの体験をもっと素敵なものにしたい。例えばはじめてのPRを作ったらお花が飛ぶようなもっと嬉しい体験にしたい
- デザイナーとエンジニアで意見がぶつかる時はどうしている?という私からの質問に対して:ベースを決めておく。コンセプト(happyなのかsmartなのか・・・など)を決めておくことで、意見がぶつかったとしてもそのベースに沿っているかどうかという価値判断基準ができる。例えばベースの色しかなかったとしても、その色はどういう色なのかを決めておく。GitHubではAI系は紫、エンジニア系(記憶曖昧、違ってるかもです)は青、というふうに決めている。同じ青でもそれはsmartな青なのか堅い青なのか・・・とか
GitHub Social Clubに参加したらCopilot Pro +の6ヶ月無料券が配られました。太っ腹。
その他
- とにかく色々な国の出身、ルーツの人がいて多様な環境で同じ技術について語り合うのがとても楽しかったです。私は女性エンジニアとして業界の中ではマイノリティです。マイノリティだから辛い思いをすることもありますが、世界中どの国に行っても女性エンジニアはマイノリティがゆえにたくさんの仲間と出会うことができました。同じコミュニティで頑張る仲間が増えたことで、今後もCloud Nativeな技術に関わっていきたいという気持ちが強くなりました
- 会場がでかく!常に迷子!