こんにちは、@chataです。普段はWEBエンジニアとして開発サポートなどをしています。最近興味があるのはNginxが新たに出したNginx Unitで、 今回のゴールデンウィークでは少しHelloWorld的なことをしていました。技術的な記事は機会があればまた書きたいなと思っていますm( )m
いきなりですが、僕には米国に住む姉がいます。姉は、高校就学と同時に渡米。大学を出て幼児教育、保育園に就職。その際に出会ったご主人と結婚し、今では中学生の子どもが2人(男女)います。
先日、姉が家族を伴って来日した際に、子どもたちにホームスクールを実施しているという話を聞きました。 教育事業に携わる身として大変興味が湧いたので少し詳しく聞いてみることにしました
気になったのは以下の点です。
- 米国におけるホームスクールの位置付け
- ホームスクールはハンデではないのか?
- なぜホームスクールを選択したのか?
- ホームスクールとサプリメント
- ホームスクールの今後の課題
ホームスクールを実践する当事者の意見をヒアリングできたのは貴重でした。うまく伝えられるかわかりませんが…ご容赦ください<( )>
ホームスクール?
まず最初にホームススクールって一体何?という方も多いかとおもいます。少し調べてみました。
米国における"ホームスクール"とは、日本で言う"家庭教育"で、Wikipedia[*]をみると"学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うこと"という定義があります。日本では義務教育となっているためあまり馴染みがありませんが、米国では活発に行われている教育スタイルとなっています。
[*]参考:
ホームスクーリング(Wikipedia)*
米国におけるホームスクールの位置付け
日本では、ホームスクールを実践しているようなケースに出会う機会もなかなかなく、馴染みがない印象が強いです。そもそも米国におけるホームスクールというのは一般的なものなのでしょうか?そして、どのような社会的位置づけなのか聞いてみました。
回答
80年代の米国では、ホームスクールというのは田舎に住む子や宗教的な意味合いが強く、公立の学校や学習内容に疑問をもった家庭が実施するようなケースが多かった。最近では、ホームスクーリングを行うための行政的な支援や制度が整っており、eラーニングなどはインターネットの発展とともに質も向上していると感じる。米国滞在中に接してきた人間関係の中でもホームスクーリングをしてきた方が多くいて、そういった人たちを身近で感じる機会も多い。
日本では、ホームスクールというと "不登校" というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、米国においては、ものすごくポジティブな位置付けであると感じました。
ホームスクールはハンデではないのか?
いくら行政的な支援や制度が整っており、eラーニングなどのツールが発展しているとは言え、公立の学校と比べるとやはりハンデが大きいのではないかと思い聞いてみました。
回答
米国では、ホームスクールを行う人に対する大学や社会への参加への障壁が低い。「Home Schooling? OK, No problem.」という感じ。州の"Smart Balance"や公立学校が提供する"Long Distance Program"[通信制プログラム]を活用することによって自己の学習評価を行うことができる。こういった制度やプログラムは州によってだいぶ違う。(2人の子どもたちは平均点よりも高い。) どこにいても学べる。年は関係なくだれでも学びたいことを学べる。やはり米国は個人主義。今は宗教や学校に疑問のある家族だけではなくホームスクールを教育の一つとして、選択する家庭が増えている。
ここで思ったのは、日本とくらべると個人の学習評価が公教育の場と家庭学習の場で、さほど大きい問題やハンデにはならないと感じる文化的な雰囲気を感じました。家庭や個人の自由が強く尊重されているという米国らしい印象を受けました。
なぜホームスクールを選択したのか?
ホームスクールを実践するとなると不安も負担も多くなるのでは?なぜホームスクールを選択したのか聞きました。
回答
解決しない社会問題が多い(銃、ドラッグ、ポルノ)のも確かにあるが、旦那の職場や、身近な人間関係にホームスクール出身の人が多くいて、その人達がとても優秀(家族を大切にして、変わってるけど能力が高い)だった。1年だけやってみよう。試してみよう。から始まった。子供と真剣に向き合って時間とエネルギーを費やし、未完成だけど共同制作のような親と子どもにとって大切な「教育」としてのホームスクール。「やってよかった。」と感じている。
まさに米国在住ならでは問題意識であると感じました。後悔などはなく、やってよかったと感じているようです。
ホームスクールとサプリメント
実際に、どのような教育を実施しているのか聞いてみました。ツールはどうしていますか?
回答
主要科目については、テキストは、公立学校が提供している"Long Distance Program"[通信制プログラム]でサクソン(出版社)などのテキストを使っている。 "Classical Conversations[*1]"[古典教育/家庭教師プログラム]では、その他の科目をサプリメントとして実施している。音楽、詩、絵画、写真、歴史や地理などはマスターに直接指導を36週/年で科目ごと実施している。必須科目という考えはなく、科目の選択自体に行政や第三者の強制力などは一切発生しない。インターネットにおけるツール(Khan Academy[*2]など)も充実している。コンピュータについては時間を決めるなど一定距離を置いている。知り合いのケースでは、1年のうち半年米国、もう半年ニュージーランドに住む家族がいて。子どもはホームスクール(米国の"Connection Academy[*3]"のような"Online Program")をしている。
"Classical Conversations"[家庭教師プログラム]については、初耳だったのですが専門的な見地のある教師を自分で選んで、サプリメントとして子どもたちに提供するという選択があるのが新鮮でした。
この質問をしたときに、姉自身の日本での中学時代の学校教育について話していました。姉は歴史がとても好きだったが、担任の教師に冷たくされ、それ以来歴史が嫌いになった経験があった、そういう思いを子どもたちにはしてほしくないと言っていました。
[*]参考
Classical Conversations *1
Khan Academy *2
Connection Academy *3
ホームスクールの今後の課題
今、実践しているホームスクールでの課題感とか、不便なところってありますか?
回答
スポーツなどは、チームスポーツなどの場合、実際の公立学校に混ぜてもらうなど、子どもたちのアクティビティに対しての課題を感じる。公共学校や教育コミュニティとの関わりがもっとあるといい。(いくら整ってきているとは言え、閉鎖的な気持ち、孤立に陥りやすい)
確かに、集団でうける教育ではないために孤立しやすいというのは頷けます。チームスポーツは特に、意識して行動しないと参加できずに、経験を積むことは難しそうですね。
まとめ
米国におけるホームスクールについて、少しだけ、その雰囲気を感じ取ることができました。多様な学習科目を家庭レベルで実践することによって、より子どもの興味関心に合わせたダイレクトな教育をサプリメントを通して実践できるというメリットがありそうだと感じました。
インターネットの普及とともに、教育コンテンツも品質が高くなり、よい教育的な効果を生み出していると感じます。日本においても、ホームスクールのような方法は発展していくのか、今後もウォッチしていきたいです。