iOSエンジニアのkomajiです。昨年の9月に入社しましたが、そのわずか3ヶ月後の12月末から育児休業・出産育児休暇(以下、育休)を合わせて3ヶ月間取得したので、記憶が色褪せないうちに記録として残しておきます。
育休まで
取得の相談
選考段階で、入社の3ヶ月後あたりから育休を取得したい旨を伝えていました。入社の3ヶ月後となると試用期間もまだ終わっていない時期なので、そもそも取得できるのか、取得できるとしても長期間取得するのは憚られるなという思いがあり、不安を感じていました。そんな中「入社直後でも取得できます。期間も遠慮せずにおっしゃってください。」との回答をいただきました。取得できる旨だけでなく、不安を汲み取ってもらったかのように期間に関しても言及いただき、育休に対する組織の向き合い方が伺えてとても安心しました。
育児休業と出産育児休暇
一般的に、育休というと育児休業を指すことが多いと思います。育児休業とは、法律に基づいて取得できることの休業のことです。
リクルートには、これとは別で福利厚生として出産育児休暇があります。簡単に説明すると、妊娠〜育児期間に利用できる有給休暇で、最大40日付与されます。有給休暇ということを強調しておきたいです。まとめて取得しなければならないという制限もなく、こどもが体調を崩した時や、行事等のスポットで利用することも可能です。リクルートはそもそも年間休日が145日と多く、休暇周りの制度の充実さは、育児していく中で改めてありがたいと感じています。休暇の詳細は福利厚生をご覧ください。
育休の取り方を決める
育児休業と福利厚生の出産育児休暇は組み合わせて利用できるので、これらをどのようにして取得するかを決めます。
何も考えなければ1年くらいこどもだけを見ている時間が欲しいと思っていましたが、特に入社直後ということもあり(入社前にも2ヶ月の休みがありました)、それだけ長い期間休むと仕事の感覚を取り戻すのが大変になりそうと考え、数ヶ月に留めることにしました。出産育児休暇が2ヶ月付与されたので、それをまるっと取得して終わりにしようかと思っていたのですが、周囲の先輩パパの方々に聞いて回ってみると、2ヶ月はちょうど慣れてくる頃でもう少し長く取っておけば良かったという声もあったので、出産育児休暇2ヶ月+育児休業1ヶ月で合計3ヶ月としました。
当時を振り返ると、たしかに3ヶ月目からは少しずつ自分たちの時間を過ごすことができるようになってきていたので、3ヶ月にしておいて正解だったなと思っています。
育休へ
突然の育休
初産ということもあり、予定日より遅くなることはあっても早まることは無いだろうと思って準備を進めていたのですが、その日は予定日よりも2週間早くやってきました。
早朝の出産でした。産後は母子ともに1週間ほど入院するので父である私の出番はすぐにはなく、帰宅後は少し休んでから最終引き継ぎのために午後から出勤し、夕方には退勤して育休突入となりました。
引き継ぎとは言っても、当時所属していたチームではiOSエンジニアは私を含め2名でしたが、基本的に要件定義や設計は一緒に進めており、実装に関してもキリが良くなるように事前に調整していたので、引き継ぎらしい作業はほとんどありませんでした。そのため、チームメンバーから温かいお言葉をいただいて退勤となりました。
育児スケジュール
育児をする上で心の余裕を持つことを大事にしようと夫婦で話していました。余裕がないとどうしても態度に表れてしまいます。赤ちゃんは大人の生活リズムと全く異なるため、これに対処するために1日のスケジュールを立て、紙に書き出しました。このスケジュールを私と妻の二人チーム体制でこなすことが我々の育児となります。このスケジュールには、お互いの睡眠の時間、ミルクの時間、家事の時間と担当などを書いていました。大変だなと思うことがあれば都度更新します。
スケジュール表はキッチンの壁に貼っていて、定期的にスケジュール表の前に立って相談会を実施していました。アナログで管理するのが結構良く、同期的に一つのものを共有しながら会話することで、チームワークがより強固なものとなっているように感じました。
想像を上回る大変さ
新生児の睡眠は、昼夜を問わず3時間おきに寝て起きてを繰り返す多層性睡眠です。親もこのサイクルに合わせて睡眠をとることになるので、私たちも3時間寝て、起きてを繰り返すことになるかと思いきや、実際は3時間もまとまって寝られませんでした。ミルクをあげたり、おむつを替えたりする必要があります。ミルクをあげる際には、お湯を沸かす、哺乳瓶を消毒する、ミルクを冷ますなどの工程があり、ミルクを飲むのにも30分かかったりします。実際にはまとまって寝られるのは2時間程度でした。
そのため、少しでも私たちが休める時間を確保できるように、さまざまな育児便利グッズを購入し、家事はロボット掃除機、食洗機、洗濯乾燥機などで可能な限り自動化し、食事は宅配弁当などを活用しました(思っていたより出費がかさみました….)。
職場復帰
最初の2週間の壁
育児と仕事でてんやわんやでした。圧倒的に時間が足りません。1日30時間は欲しいです。育児自体には慣れてきていた頃だったのですが、仕事に関しては転職後すぐに育休に入ったのでそもそも業務知識が乏しく、その中でさらにチーム体制もガラッと変わっていたため、何もかもが新しいことのように感じました。
そして、コードが全然書けませんでした。育休中は一切コードを書いていなかったのですが、3ヶ月書かないだけでこれだけのブランクを感じるとは思っていなかったです。
そのため、仕事に慣れるまではかなり大変で、加えて家族全員風邪をひいてしまったこともあり、最初の週は1週間が10日くらいあったかのような疲労感でした。それでも2週間ほど経つとだいぶ慣れることができました。
キャッチアップ
3ヶ月間とそう長くない期間であったとはいえ、その期間の情報量は多いので育休中に起こった全てを詳細に把握することは諦めていました。後から必要になった時に詳細を追うことができるように脳内インデックスを作る目的で全体感を把握し、その上で今実務に取り組む上で必要なことに注力しました。
以下では、復帰直後のキャッチアップについて簡単にまとめてみました。
- All Hands Meetingの資料漁り
- 育休中の事業における変更点やそれに付随する組織的な変更点の全体像を把握する目的で All Hands Meeting資料を眺めました。より差分を把握しやすくするために、育休以前の資料も漁りました。
- 上司との復帰後面談
- 組織体制の変更に伴い自身が所属するチームも変わっていたので、組織体制の変更点について説明してもらいました。組織体制変更の背景や目的を説明してもらうことで新たな業務に対する納得感を持つことができました。
- 同僚による育休前後の主な差分共有
- コーディング
- コードを書く感覚を取り戻したく、実装量が多いタスクにアサインしてもらいました。初めのうちは思うように手が動かなかったので正直焦りもありましたが、2週間ほどである程度感覚を取り戻すことができて安心しました。コードを書く感覚を取り戻すことが精神衛生上大切と感じました。
- Working Out Loud
- 着手するタスクのissueを読む際に、Working Out Loudとして理解した内容や疑問点をチームメンバーから見えるようにSlackのスレッドにまとめていきました。目にしたメンバーが補足したりリアクションをくれたりして理解が捗りました。
この他にも、入社時に書いた作業ドキュメントが早速役に立ちました。Nヶ月後の自分は他人とよく言いますが、育休前に行っていた作業手順がすっかり頭から消え去っていてまさしく他人状態だったので、ドキュメント書いておいて良かったです。
生活リズム
リクルートでは、リモートワーク・フルフレックス制度が導入されています。休憩も自由に取れるため、私は以下のようなタイムスケジュールの日々を送っていることが多いです。
午前
- 起床
- 保育園の準備
- こどもを保育園に送る
- 犬の散歩
- 勤務開始
午後
- ランチ
- 勤務再開
夕方
- 保育園お迎え
- 夕飯
- 勤務再開
- 退勤
- お風呂入ったりなど
- 就寝
こどもが生まれる前はお昼前に勤務開始するほどの夜型でしたが、今では朝からバリバリ活動するようになり、自分でも驚いています。
夜はこどもが泣かずにぐっすり眠ってくれるようになったので、私も十分に睡眠を取れるようになりました。とはいえ、毎日バタバタで(特に午前と夕方)最低限のことをこなすだけで精一杯です。ただ、リモートワーク・フルフレックス制度のおかげで夕飯の後に勤務を再開できたり、夜ワンオペになる日には早めに退勤したりと柔軟に働くことができているため、なんとか心の余裕を保ちながら日々過ごせています。
ちなみに、日々の一番の楽しみは保育園のお迎えで、お迎えに行った際に見せてくれる笑顔が最高です。
おわりに
育休を取得して本当に良かったと感じています。入社直後の育休を応援してくださったチーム・組織には感謝しかないです。
出産前は親になる感覚をあまり持てていなかったのですが、育休を通してこどもと全力で向き合うことで、親としての責任と喜びを感じることができました。そして、育児という一つの目的に対して、夫婦で同じ目線で同じ方向を向いて取り組めたことが一番良かったと感じています。これは、仕事でも大切にしていきたいです。
以上、育休記録でした。育休を考えている方の参考になると嬉しいです。