スタディサプリ Product Team Blog

株式会社リクルートが開発するスタディサプリのプロダクトチームのブログです

褒めるラジオ quipper.fm

こんにちは。quipper.fm メインパーソナリティの @chaspy です。

今回、一緒に働く仲間をただひたすらに"褒める"社内企画をはじめてみました。好評により続いているので、その取り組みについて紹介します。

quipper.fm とは何か

名前に深い意味はないんですが、ラジオっぽい"雰囲気"でゆるく聞いてもらえたら、という想いで .fm をつけています。実際は社内 Google Hangouts で行っているので、音声だけでなく映像も映ります。

この番組は隔週30分で行われています。各回に1名「褒められるひと」が選ばれます。事前に Google Form でそのひとに対する「褒め」をチーム内外のメンバーに(任意で)投稿してもらい、当日はそれを読み上げていく、という構成です。

褒めるフォームへは匿名・実名どちらでも投稿できます。そしてこの回答はデフォルトで全公開されているので、番組の放送を待たずとも見ることができます。

そして番組の最後には、褒められたひとが次回の褒められるひとを指名して終わるという流れになっています。リレー形式で誰が選ばれるかわからないところが面白いですね。

いつでも、誰でも、気軽に褒められるフォーム

良いところを言葉にすることは自分自身への言葉としても帰ってきます。

なお、その日の「ベスト褒め」を @chaspy が勝手に選び、額縁に飾られます。(Slack 上でピン留めされます)

褒めることそれ自身もちゃんと褒めていく。メタですね。

なぜはじめようと思ったのか

コロナ禍でフルリモートが基本となり、偶発的な雑談の機会が減りました。チームを超えた雑談の機会もまた減ってしまいました。そういう状況に僕自身もメンタル的に参ってしまった時期もあり、「なんかおもしろいことしたいなー」という気軽な気持ちではじめました。あるチャンネルで @pankona さんと @ujihisa さんがなぜすごいのかを考えていた流れで、思いついて企画しました。

ついうっかり速度で企画してしまう

というのが表面的な理由で、実はとある仲間が退職したときに残してくれた言葉に影響を受けています。

最近、ある退職者が「オフボーディング」として、「何を考えていたか」「やりきれなかったことは何か」「今の組織課題は何か」「組織の良い点は何か」といったことを(任意で)書いてくれていました。

quipper.hatenablog.com

その中の「やっていきたかったこと / やりきれなかったこと」に"率直なフィードバックを送り合うカルチャー"があげられていました。

フィードバックには、良い点と、改善できる点の両軸がありますが、少なくとも「良い点」を伝える(=褒める)ことのハードルはそこまで高くないと考えています。Quipper には Slack の発言に、コメントや Reaction できちんと「反応する」文化があります。すごいことをしたときにはそれを称賛するリアクションが多くつきます。このことからも、「褒め合う」文化を作るための土台は十分あると考えています。

僕はこの"意志"を"勝手に"引き継いで、"この企画がその解決を担う一端になれば良いな"、そんな想いを込めてはじめました。

褒めることの重要性

褒めること=フィードバックを送ることは、個人の成長、ひいては組織の成長につながるはずです。

今回、この企画をやってみて学んだことが2つあります。

1. "褒め"によるフィードバックが個人の振る舞いを強化する

多くのひとが今以上に成果を出すためにどうすれば良いか、あるいは給料をあげるためにはどうしたらいいか、などといったことを内省するかと思います。

その個人の振る舞いは、自分自身で意識してやっていることもあれば、無意識のものもあります。

"褒め"によってそれらへフィードバックが行われることは、意識しているものについては成果が出ていることに安心するでしょうし、無意識なものについては新たな強みとして認識できるでしょう。

このフィードバックがさらに個人の行動を改善させ、強みをさらに活かすことにつなげられるはずです。

2. "褒め"による振る舞いが言語化されることはそれ自体が貴重な学びの機会になる

多くのひとが1人のひとを褒めるわけですが、他人が他人を褒める様子が言語化されることは、それ自体「良い振る舞い」が言語化されていることに他なりません。

褒め方は褒めるひとや、その関係性によって千差万別ですが、いずれにしてもあるひとがあるひとのことを「良いと思う」振る舞いが理由を添えて語られることは、貴重な成長のヒントです。

他人の褒めを聞いて「あぁ、自分はこれができてないな。真似してできるようになろう」と考えることができます。コメントを通じて「だからこのひとはこういうことができるんだ」という源泉に触れることができます。

褒める技術

褒めることは確実に"技術"です。これは後天的に習得可能ですが、訓練をしないと最初からできることではない、という意味です。

褒めることを含む、他者へのフィードバックを送るためには、まず他者を(他者の振る舞いを)日頃からよくみておく必要があります。

観察して「良い」と思う振る舞いについて、なぜ良いのかを自分の中で答えを持っておく必要があります。

そして他者の振る舞いに対する「良さ」に気付けるアンテナも必要です。日頃からどういった振る舞いが理想的か、あるいは今の自分に足りないものは何か、という内省をしていると気付きやすいかもしれません。

いずれにしても、「率直にフィードバックを送り合うカルチャー」を実現するためには、この技術を身に着ける訓練の機会が必要です。

この quipper.fm という場が、言語化された他者の振る舞いから自分自身の振る舞いを改善するきっかけを得るとともに、褒める技術を実践して学べる機会になればいいと考えています。

褒められたひとからの言葉

30分の短い時間に一気に褒められる、めったにない経験をしたひとからの気持ちを紹介します。

褒められると嬉しくなり、一日〜一週間 (個人差があります) 笑顔で過ごすことができます!笑顔はいいことです!

自信のあることが何か1つでもあると失敗リスクのある挑戦がしやすくなり、失敗リスクのある挑戦は個人・組織両方の成長を促すと考えているので、褒められ手*1が他のメンバーからの褒めを通じて自身の強みを発見できたり確信が持てるようになったりする quipper.fm は大変良い取り組みだな〜と思っています!

quipper.fm それ自体も褒められていて良いですね。

おわりに

今回、褒めるというフィードバックを行う企画を通じて、褒めることの重要性や、褒めることの難しさを知ることができました。

褒めたい方、褒められたい方、まずは入社からはじめませんか。

Quipper では世界の果てまで学びを届けたい仲間を募集しています。

*1:褒められるひとのこと