スタディサプリ Product Team Blog

株式会社リクルートが開発するスタディサプリのプロダクトチームのブログです

ArgoCon Japan 2026 で登壇した話

まだまだ夏の暑さが残る日々ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今回は、英語をまったく話せないエンジニアが ArgoCon Japan 2026 に登壇した件を書こうと思います。

お久しぶりです、SRE Team の @panicboat です。 前回の Jenkins から Argo Workflows 移行に挑戦した話 を執筆して以来ですね。

本稿では、日本語話者が英語で登壇した際の失敗談を持ち帰っていただければと思います。

ArgoCon Japan 2026 とは?

KubeCon + CloudNativeCon Japan 2026 の Co-located Event として開催された、Argo Project 専門のカンファレンスです。 本編の KubeCon に先駆けて開催され、プロダクトのメンテナーによる最新ロードマップや、企業における実践的な GitOps の運用ノウハウなど、内容の濃いセッションが行われました。

当日のスケジュールは Sessionize をご参照ください。 私は Lightning Talk: Migrating 1,300 Jenkins Jobs to Argo Workflows: Lessons from a Large-Scale Migration というセッションで登壇しました。

前提

前述したブログを執筆した時点では、Argo Workflows への移行作業は終盤を迎えていました。 あれから無事に完全移行を終え、すでに1年以上が経過しています。 その後 Jenkins が再登場する機会に恵まれる(?)こともなく、無事に運用を続けられておりホッとしています。

登壇に至った経緯

移行後は大きな課題に見舞われることもなく Argo Workflows を運用していたのですが、ある日突然 @_a0i さんからプロポーザルを出してみないかと声をかけられました。 正直なところ「英語だし無理です」という意味で断ったつもりだったのですが、押しに断りきれず、いつの間にか承諾してしまっていました。

ここで断りきれなかった自分の意思の弱さを後悔しています。 英語なんて全然話せないですし。

冒頭にも書いた通り、これは「失敗談」です。 後悔が滲み出てしまうのは当然なのです。

そんなわけで、期限ギリギリまで覚悟が決まらず、プロポーザルを提出する当日も嫌々送りました。 そして提出後は、採択されないことを祈りながら結果を待つ日々が始まりました。

プロポーザル承認後

そんな願いもむなしく、プロポーザルは無事に採択されました。 とはいえ、この時点であればまだキャンセルすることは可能でした。

しかし、多くのプロポーザルを読み、検討し、そのうえで採択してくれた運営の方々がいるという事実を無視することはできませんでした。 そこで覚悟を決めるため、SRE Team の daily meeting で登壇することを共有し、自ら退路を断ちました。

登壇準備

何度も書きますが、私は英語をまったく話せません。

そのため、登壇は完全台本を前提に準備することとしました。 ですが本番中も台本から一切目を離せないことは明らかです。

そもそも英語を話せないので、英語の台本を記憶すること自体が難しく、途中で台本を思い出せない場合に自力で続きをフォローすることもできません。

とはいえ、ずっと下を向いて台本を読み続けるのも避けたい。 なんとなくでも聴講者の皆さんを見ながら話している雰囲気は必要ですよね。

そこで、Smart Glass(Even G2 + Even R1)に台本を投影し、それを読みながら登壇するという、現代技術の力で乗り切ることにしました。

もちろん、そのためにはまず台本が必要です。

日本語で台本を作成し、それを AI に英訳してもらったものをベースに英語台本を作りました。 さらに、その台本をもとにスライドも作成しました。

スライドはセッションページからダウンロードできるので、よかったらご覧ください。

あとは制限時間内に収まるよう、台本を簡略化しながら、ひたすら読み上げる練習の日々です。

妻に発音をいじられたこともあり、基本的に1人になれる時間を見つけて練習していました。 これはこれでなかなか大変でした。

登壇当日

イベントは パシフィコ横浜 の会議センターで開催されました。

私の登壇は 16:15 からでしたが、当日は緊張であまり眠れなかったこともあり、午前中の KeycloakCon から参加していました。

当然ながら、セッションはすべて英語です。

英語が話せないということは、もちろん英語を聞き取ることもできません。 そこで Smart Glass のリアルタイム翻訳機能を使いながらセッションを楽しんでいました。

ところが午後イチくらいになって、Smart Glass のコントローラーとして用意していた Even R1 の充電がなくなり、ただのファッションアイテムに変貌を遂げてしまいました。

Even R1 の連続使用時間は公称4日間だったので完全に油断していましたね。 おそらく、終日使い続けるような利用方法を想定できていなかったのでしょう。

完全に調査不足でした。

これにより、本番ではスピーチの進捗管理の一部をスマートフォンの操作で行うことになってしまいました。

それでも事前準備のおかげでイベントを台無しにすることはなく、なんとか片言の英語で台本を最後まで読み上げ、現在に至ります。

なお、このイベントの各セッションは YouTube にアップロードされています。

私は恥ずかしくていまだに自分の動画を見返すことができていません。 緊張も相まって、かなりひどいことになっていると思います。

このブログを読んで興味が湧いたとしても、決して見てはいけませんよ。

まとめ

登壇は怖くありません。 必要なのは覚悟だけです。

英語が話せないまま英語のイベントに登壇しても、意外となんとかなります。

たとえ登壇に失敗した記録が YouTube に残ったとしても、社内での立場が悪くなることはありませんし、転職する必要もありません。 現在も平穏に仕事を続けることができています。

ということで、皆さんも気軽に登壇しましょう!!