こんにちは。スタディサプリの開発組織でエンジニアリングマネージャー(以下、EM)をしている @ojiry です。
本稿はスタディサプリProduct Team Advent Calendar 2024 20日目の記事になります。
私はEMになってから3年と3ヶ月ほど経つのですが、その中で得たEMという職種への学びやキャリアの魅力を簡単に紹介できればと思います。この記事を読んでEMやってみたいなと思える方が1人でも増えてくれると嬉しいです!
いきなりだけどEMってとても楽しいよ!
EMの業務について、みなさんはどのようなイメージを持っていますか?ピープルマネジメントや組織開発、事務作業などが思い浮かぶかもしれません。 これらの業務は確かにEMの職務であり、ソフトウェアエンジニア(以下、SWE)の方々からすると、あまり興味を持ちにくい領域かもしれません。 SWEの方にとってはソフトウェアエンジニアリングとはチームで行う一連の開発作業という認識があると思います。EMはそれらとは全く異なる印象を持ってなかったでしょうか?
しかし、少し観点を広げてみると、チームの体制やコンディションを整えることもソフトウェアエンジニアリングの一部であると言えないでしょうか。 そう考えると、EMが行っている業務は、プロダクト開発を行うチームの体制や文化を、設計・開発しているとも捉えられます。
私がEMになったばかりの頃、当時の上司から言われた「自分はプロダクト開発をしているつもりだよ」という言葉が今も心に響いています。 チームの開発者がスクラムなどの開発プロセスを整備するように、EMは組織やチームを整備することでプロダクトという成果を生み出しているのだと気づいた瞬間、EMという役割が一気に楽しくなりました。 特に、私はコードを書くよりも設計する方が好きだったので、そこも自分に合っていたのかもしれません。
改めて皆さんにお伝えしたいのは、EMは本当に楽しい職種だということです! EMとしてチームやプロダクトに対する影響を実感できることは、非常にやりがいのある体験です。 もし機会があれば、ぜひ挑戦してみることを強くお勧めします!
キャリアとしてEMを経験するメリット
EMとしてのキャリアを積むことには、多くのメリットがあります。 特に重要なのは、視座を強制的に高めてくれる点です。EMの役割を担うことで、ソフトウェアエンジニアリングに対する観点が大きく広がります。
具体的には、事業や組織がチームに期待していること、特定の機能が成功とみなされる条件、プロジェクトの進行状況をどのように把握するかなど、さまざまな視点から物事を考えるようになります。 これにより、単なる技術者としての視点だけでなく、ビジネスや組織全体の戦略に基づいた洞察を持つことができるようになります。
もちろん、SWEのままでも業務や経験を通じて、これらのスキルを身につけることは可能です。 しかし、私自身はEMになってからこれらの能力を磨く方が、その精度や練度は格段に向上するように感じています。 EMとしての責務を通じて、リーダーシップやマネジメント、戦略的思考を実践することが、より深い理解とスキルを得ることに繋がるのだと考えています。
さらに、これらの能力はSWEのキャリアにおいても非常に有用です。 特にスタッフエンジニア*1などの大きな事業貢献が期待されるポジションに進むためには、これらのスキルが必須となります。 EMとしての経験を通じて得た知識や能力は、将来的なキャリアの選択肢を広げ、自身の成長を促す大きな助けとなるはずです。
EMとしての経験は、単なる役職の変化に留まらず、キャリア全体にわたる深い影響を与えるものです。ぜひ、このキャリアパスを検討してみてください。
EMになるチャンスは狙っていこう
EMは、組織の規模によって枠数が限られている職種です。 そのため、EMになりたいと思っても、ポジションが空いていなければ、いくら能力があってもチャンスを得ることは難しいのが現実です。
もしあなたがEMの職種を担う機会を得た場合、たとえその時点で興味がなくとも、その貴重なチャンスをしっかり考えてみてほしいと思います。 EMとしての経験は、あなたのキャリアにおいて新たな視点の会得や成長の機会をもたらす可能性が非常に高いです。
心配する必要はありません。EMは片道切符ではなく、再びSWEとしてキャリアを歩む道も開かれています。 実際、私たちの組織でもEMからSWEにキャリアチェンジした事例が存在します。 このように、EMとしての経験を積みながらも、必要に応じて元の技術者としてのキャリアを歩むことができるのです。
チャンスが訪れたときは、その可能性を前向きに捉え、自分自身の成長につなげていきましょう。 EMとしての経験は、あなたのキャリアにとって非常に価値のあるものになるはずです。
再びSWEのキャリアを歩む上で
私自身はEMを経験したことで、SWEとしての能力が大きく強化されたと実感しています。 確かに、純粋な技術力に関しては、業務やプライベートであまりコードを書いていなかったため、衰えている部分もあります。 しかし、上でも説明したような能力を磨けたおかげで、チームで生み出す成果の品質を以前よりも高められると確信しています。
人によってはEMとしての役割をこなしながら、技術力を継続的に磨き続けてスタッフエンジニアのポジションに進む方もいるでしょう。 これは、EMとしての経験と技術力の両方を兼ね備えた、非常に魅力的なキャリアパスです。
繰り返しになりますが、EMは片道切符ではありません。いつでも新たに獲得した能力を活かし、SWEとして歩むことができるのです。 この柔軟性は、キャリアにおいて重要な要素であり、EMとしての経験は、将来の選択肢を確実に広げてくれます。
EMとしての役割を経験することは、SWEとしてのキャリアに新たな視点やスキルをもたらし、最終的にはより高い成果を出すための土台となります。 ぜひ、この機会を前向きに捉えて貰えると幸いです。
さいごに
今回、EMというキャリアをお勧めしてきましたが、数年後に自分がEMを続けているかどうかは正直わかりません。
時には無性にコードを書きたくなることもありますが、その時は思い切ってコードを書けばいいのです。 EMもまた、SWEなのですから。私もこの3年間マネジメントに関する知識習得を優先してきたので、来年は技術的な学習を重視しようと今から計画しています。 その前に、故障したプライベートのMacBookを新たに買い替えないといけませんが。M4のMacBook Airはいつ発売されるんでしょうか。
またEMという職種を経験したことがきっかけで、新たな職種に挑戦したいという気持ちも芽生え始めています。 こちらは密かに社内で挑戦する準備を進めていたりします。
そうやって様々な経験を重ねながら、最後には強いSWEとして現役でコードを書き続けられたら楽しそうですよね! そんな理想を目指してミーティングで埋まってるカレンダーの予定と睨めっこしてる毎日です。