こんにちは。@chaspy です。スタディサプリ小中高の開発部長をしています。
AI の変化の勢いは凄まじいですよね。この1年で随分環境が変わったように思います。本記事では私たちが AI をどのように活用してきたか、これからどう活用しようとしているかについてお伝えします。
なぜ AI に組織として取り組むのか
よりよいサービスをユーザーに提供するためです。そのため、今起きている環境の変化に組織として適用していくことが重要です。
1年前に GitHub Copilot を使った時に Game Change が起きることを感じ、同時にこれは今すぐ取り組まないと大変なことになると思いました。そのタイミングで開発部長になったこともあり、トップダウンで AI の活用を進めてきました。
このような技術を使いこなす Capability を獲得することで、非連続的な事業成長を目指せるとともに、組織としての採用市場での競争力も獲得できるでしょう。逆に言えば外部環境で当たり前のことができてない組織だと、その逆のことが起き、ビジネスとしても組織としても競争に敗れてしまうでしょう。
とはいえ新しい取り組みですから、投資割合を一気に増やすというよりは、既存のビジネス成長を目指しながら少しずつ・検証から進めています。
リクルートでは、リクルートAI活用指針を定め、AI を適切に利用できる環境・プロセスが整備されており、本取り組みもその上で進めています。
AI 活用ワーキンググループ
何はともあれ、何かを始めたいときは一筆*1書いて、しゃべる場所を作ることから始めます。
現状は週に1度の meeting で情報共有をしています。だいたい6名~8名ほどの人が参加しています。
AIプロジェクトの具体例
それでは具体的な活用事例を紹介します。業務生産性向上とプロダクトへの活用の2つの観点で紹介します。
業務生産性向上の取り組み
Slack AI bot (#ask-chatgpt-ja)
Slack 上でメンションできる Bot です。Slack next gen platform と Azure OpenAI API を利用しています。
単に AI に聞くだけなら他の手段はありますが、こちらはどちらかというと AI への問い合わせをみんなで楽しんだりして使っています。新しい LLM Model が出た場合も変更して試してみる場としても使っています。
動画の文字起こし & 会議議事録生成
ミーティングで会議の議事録をとったりしますよね。これが自動化されたら素敵です。Azure の Whisper API を利用して動画ファイルを文字起こしすることにしました。しかも、API を使えない人でも UI 経由で使えるようにしています。実装は @manicmaniac さんがやってくれました。Special Thanks です!
GCS に UI 上で mp4 ファイルをアップロードしてしばらく待つと文字起こしされたテキストファイルが出力される仕組みです。これで開発者以外の人も文字起こしできます。それを他の生成 AI を使って議事録を生成しています。
勝率は勝ったり負けたりのようですが、プロンプトを工夫したりして精度の高い議事録の生成を目指しています。
社内情報を用いた問い合わせbot
Retrieval-Augmented Generation (RAG)というアーキテクチャを利用し、社内情報を加味した回答を行う Bot を開発しました。この件については @aoi1 さんが明日、別でブログを出すのでお楽しみに!
追記: 出ました!
Prompt Engineering 勉強会
@aoi1 さん主催で、ワーキンググループのメンバーを中心に、Prompt Engineering の輪読会をしています。https://www.promptingguide.ai/jp をみんなで読みながらワイワイやっています!
ChatGPT Enterprise, GPTsの活用
GPTs は knowledge を検索できることが大きな強みです。社内の経費ガイドラインなど、量が多いが、真実が書いてある特化されたドキュメントを知識として検索させると非常に効果的に回答を返してくれます。マネージャとしては経費の使い方を答えてくれるのが非常に役立っています。ChatGPT Enterprise はアカウントが制限されているため、何らかの方法でこのような全社ナレッジを Knowledge として AI に回答させられないか ICT 統括室*2の方にフィードバックしています。
私は社内でカンファレンスの CfP のレビューをすることも多く、その観点を入れた GPTs を使って自分で使ってみたりして、なるべく自分の存在を GPTs に代替させられないかと模索しています。
プロダクトへの適用
こちらは現時点では非公開ですが、2つのプロジェクトで生成AIを活用してスタディサプリのプロダクトで活用しようとしています。
こちらはリリース後に追って紹介したいと思います。
まとめ
今後も生成 AI を用いた業務効率化とプロダクトに組み込んでユーザ・ビジネス価値の向上を目指していきます。
なお、この記事も生成記事の力を借りて1時間ほどで仕上げました。元々社内向けに共有したプレゼン資料を pdf 形式で読み込ませ、アウトラインを作成し、一定本文を仕上げた後、自分で文章や画像を追加しました。便利ですね!